カルダモン

レザボア・ドッグス デジタルリマスター版のカルダモンのレビュー・感想・評価

5.0
ここ数年はリバイバル上映が盛んで、新作か旧作かの二択に迫られる場面が多くなっていて困る。特に自分が映画を意識的に見始めた90年代の作品がスクリーンに映し出されるとなると、どうしても捨ておけず旧作に流れがち。そんな中レザボアドッグスは劇場体験できなかった映画のひとつで、もう少し早く生まれてれば確実にリアタイ鑑賞してるはずの映画だったのに!と悔しい思いを抱えていた。

自宅で何度も見ている作品でも初の劇場鑑賞はまるで初回鑑賞くらいに超フレッシュ。やっぱり暗闇の空間、大音量、不特定多数の他人と観るレザボアは格別でした。なんでしょうか、野郎しか出てこないのにこの愛くるしい感じ。どいつもこいつもロクデナシだけど全員好き。

無駄ではない無駄話。意味のある無駄話がやはり極上に楽しくて、なんでかなと考えるに結局はそのキャラクターが本当に自分の言葉で言っているように聞こえるかどうかなんだと思う。たぶんタランティーノはラジオ番組に慣れ親しんでいたのかも。DJ感覚の選曲や喋りの端々に映像表現とは別の、音声コンテンツの心地よさが沁みついて聞こえる。誰がどんな思想を持っていてどんな言葉を使ってどんな行動を取るのか、映像抜きでも多分伝わる。


割とどうでもいい話①、倉庫でオレンジが横たわっているあのスロープが妙に好きなんだけど、そんな感想聞いたことないのであんまり注目されてないのだろうか。でもレザボアのシーンを絵で描いてみてって言われたらたぶんあのスロープは描くと思うんだよね。地味に良い舞台装置だと思う。最後にピンクがコソコソ隠れたのもあのスロープの下だったし。

割とどうでもいい話②、倉庫の一室に置かれているボトルの液体について、色がピンク、ホワイト、ブラウン、オレンジ、ブルーとなっていて、それぞれが意味深な距離感、本数で置かれているのだけど、これが何かしら意味を持っているのかいないのか昔に話題になったような(うろ覚え)。結局何だったかは忘れましたってか答えあったっけ?雑に検索してもわかんなかった。