Yukio

レザボア・ドッグス デジタルリマスター版のYukioのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

初めて観たタランティーノ映画はこれだった、学生の時DVDを借りきて、なんだこれ!面白い…!!って感動した思い出深い作品。そんなレザボアがスクリーンで観られるとのことで観ましたが…最高でした。

その後またアマプラで見直したのだけど字幕翻訳が違ってて、訳し方違うとキャラの雰囲気もやっぱり変わるなあ、と思ったり…。その違いも楽しかった。今回の方が汚らしさがあって好きかも。
あと、シーンが少し増えてる?映画の方ではブロンドが1人でお留守番することになる前にホワイトが何でこんなやつに任せるんだ!って一悶着あった気がするんだけど、アマプラ版?にはなかったので…。

お気に入りシーンは沢山あるけど、中でもティムロス演じるMr.オレンジが初めて他の奴ら(ナイスガイ・エディ、ホワイト、ピンク)と合流し車で移動するシーンがとても好き。

車内最初のティムロスの表情を観てると、自分以外の3人がジョークを共有して笑ってるのについていけず緊張してる感がある。それまでは台本と練習で乗り切った葉っぱトイレの鉄板ネタがあったが今回はぶっつけ本番のガチ世間話。うまく会話に入らないと!って観てるこっちもドキドキする。

でもその緊張を気取られないように入れる会話の糸口を探し、女刑事ドラマのワードにピン!ときて、サッと話題に滑り込む。この時の微妙な表情の変化や彼の内情を考えて観るのが本当に楽しい。最終的には後部座席で一緒に座ってる隣のピンクと2人でクスクス笑いまでしちゃって。倉庫の作戦会議では1人だけタバコ吹かしちゃって。この短い車内会話のシーンで描かれるティムロスの心情挙動が本当に好き。ティムロスばかり映さず、ホワイト手前のカメラワークで3人をメインに映し出してるのもいいなあと思う。


そして最後まで観てると、ホワイトのオレンジに対する父親から息子に対するような優しさに胸がキュッとなる。
。「He is a good kid!!」って庇うのが切ないよ…。ラストを観た上でまた最初から観ると、ホワイトの真面目さ誠実さと優しい気持ちに一層悲しくなる。最後の声にならない声(蚊の鳴き声みたい)で鳴くホワイトよ…。


他にも「Fuck you!!!! I’m fucking dying!!!!!」のシーンもすごく好き、ブロンドのちょっと後退ステップノリノリ拷問タイムも好き、他にも好きなシーンがとにかくいっぱい。


因みにパンフレットに書いてあったけど、何故最後オレンジは招待を明かしたのか?って疑問に感じた欧米の観客に対しタランティーノは日本の”JINGI/仁義“を意識したんだと説明したみたい。
そうか、欧米的には何故、な価値観だったのか、と興味深かった。仁義は英語ではパーフェクトに表せない価値観らしい。
でも”JINGI“を貫いた奴らは軒並み死に、「…チップ?嫌だね俺は払わねえ/ I don’t tip.」と言ったピンクが生き残るというラスト。本当に面白いなあ。
(或いは、出ていった先で待ち構えていた警官たちに蜂の巣にされるか?どっちもアリですが、仮にそこで死なずにずる賢く生き残っても、ピンクは最終的にはロクな死に方しなさそうですね。)

音楽も良くて、ずっときいちゃう。車で流れてると嬉しくなっちゃうね。
因みに2回目の人はパンフレット読んでから観ると音楽やセリフ、小道具の小ネタが分かってより楽しめます。

(Filmarksベスト10には入れてないけど本当は気持ち入っています。
ベスト10て選び辛い…。気分でも変わるし。)

長くなってしまったけれど、とにかく言いたいことはこの映画は最高って事!
Yukio

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