なお

レザボア・ドッグス デジタルリマスター版のなおのレビュー・感想・評価

3.8
『羊たちの沈黙』に続き、東京・目黒シネマの特別企画「90's SELECTION」にて鑑賞。

2022年末に本作と同じタランティーノ監督作品『パルプ・フィクション』を目黒シネマで鑑賞しており、「タランティーノ監督=目黒シネマ」という謎の方程式が自分の中で確立されつつある。

✏️疑心暗鬼の行く末
ロサンゼルスを拠点とする裏社会の大物・ジョーが宝石強盗を企て、6名の実行メンバーを招集。
しかし強盗は失敗に終わり、その原因がチームに潜入していた警察組織の人間の仕業であることが分かる。

「裏切り者はどいつだ?」

互いが互いを疑い合う最悪の状況下で、警察側の「犬」をあぶり出そうとする男たちの熾烈な探り合いが幕を開ける…

いやぁ~。イイですね。
90年代映画独特の空気感と雰囲気に満ち満ちたハードボイルドな世界観。
後年『パルプ・フィクション』でも取り入れられた、作品内の時間軸を前後させ物語の真相をつまびらかにしていくタランティーノ・マジック。

驚くべきはタランティーノ監督が本作を弱冠31歳の時に完成させていること。
監督業をやりつつ本編にも俳優として出演しちゃってるんだからスゴい。
まさに八面六臂の大活躍である。

また驚きなのは、『パルプ・フィクション』にてダイナーを襲撃していたパンプキン(ティム・ロス)が主役のひとりだとは思わなかった。
てかティム・ロスって『インクレディブル・ハルク』でアボミネーション役やってた人だったんですね。全然気づかなかった…

劇中に使用される名曲の数々も、非常に各々のシーンにマッチする使われ方をされていて。
なんといってもジョージ・ベイカーの「Little Green Bag」。
ダイナーから出てきたグラサン+黒スーツ姿の見るからにアブない男たちがタバコをふかしながら車へと向かうシーンは、本作を象徴する場面といって差し支えない。

Fワードと銃弾飛び交うストーリー、会話劇はなんとも刺激的。
ただこの日は昼食後の鑑賞ということもあって、途中何度か意識が飛んでしまう時間帯も…
時間軸を前後させるという手法も当時としては珍しいが、今となってはそこまで目新しさを感じることができないのもまた事実。

☑️まとめ
まとめというか完全に余談だが、タイトルの「reservoir」の意味については人によって様々な意見や解釈があるのもこれまた面白い。

「格好のいい中年の不良たち」という意味があるとする説や、そこまで深い意味はなく観客にタイトルの意味について深読みさせることが目的とする説など、考察を探せば枚挙に暇がない。

若き日のタランティーノ監督が描くクライム・サスペンス劇。
もし自分が色のコードネームをつけられるなら「ミスター・ネイビー」がいいな…
紺色好きなので。

<作品スコア>
😂笑 い:★★★★☆
😲驚 き:★★★★★
🥲感 動:★★★☆☆
📖物 語:★★★★☆
🏃‍♂️テンポ:★★★☆☆

🎬2024年鑑賞数:35(19)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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