東北のキリスト渡来伝説のさらなる新解釈の真相へ辿り着く
諸星大二郎原作「妖怪ハンター/生命の木」の映画化。(だいぶ後年で気づいた)
なぜ、この強力ワードを全面に出さなかったのか割と不思議です。
(私が気づかなかっただけかも知れませんが。。)
↑この1文で興味を持つ方結構いらっしゃると思うのですけどね。。
前提として、
個人的には、あの「ぱらいそさいくだ」でかなり満足な一作です。(偏
原作通りの展開!これを貫くのはすごい!と思いました。
「あの表現」どうするんだろう。というのをやり切っていましたので、
すごいところです。
諸星大二郎作品はホラーっぽいですけど、恐怖以前に、「奇妙な世界の入り口に迷い込んだ」というところが主軸の大枠カテゴリーに入っていると思いますので、
今作も「変なところにきたな。」という感覚があり、原作の世界観を大事にしていると思いました。
ただ、原作の再現をしているのは良くも悪くもで、
原作自体に感情移入できる人があまりいません。世界の中の人を外側(稗田側)から見る感じなので漫画では独特の視点になりうるのですが、映画だと説明要素が多いので、単調になるのは致し方がないと言うところでしょうか^^;
あと展開が、、原作自体もそうなのですが、だいぶ異常な光景なのに、あんまりリアクションがないんですよね。結構すごいことやってるんですけど、みな平熱なのであんまりすごいものを見ている気がしない笑
何かわかりやすい要素があれば良かったかも知れません。
ダビンチコードのような新解釈でも、サスペンス要素のように
世界に引き込む口実を作っていたので、今作でそのようなストーリーテリングもありだと思いますが、、諸星大二郎っぽくなくなるといえばそうなんですけど。
他の原作の要素ですけど、
いつも知っていたはずの〇〇さん、〇〇くんが遠いところへ行ってしまった、
違う世界の住人だったとか、身近だったはずの人が違うところへ行ってしまった切なさ、悲哀みたいなニュアンスも実は大事にされていたと思うのですが、そのあたりはオリジナル要素で追加していたので、もっとドラマに絡めてもよかった気がしますね。。
やりすぎると諸星大二郎っぽくなくなるといえばそうなんですけど。
映画としてのパンチ力は、、、あまりなかったというところは否めないところ。
ですが、ハードルを上げすぎなければ原作が持つ底知れぬ不気味感を堪能できると思います。
これ以上を盛り上げるにはヒルコみたいに原作を大幅に改変するか。違う解釈、違うテーマを入れるしかないですね。
諸星大二郎っぽくなくなるといえばそうなんですけど。
阿部ちゃんが妖怪ハンターかどうかは、、どうなんでしょうね。
特に悪くないですけど、そこは諸星大二郎っぽさを活かせばよかった気がします^^;