おらあぱらいそさいくだ。諸星大二郎原作の映画というだけの前知識で見たら「生命の木」のお話だった。津嘉山さんのナレーションで始まるともうそれだけでいい雰囲気。
「生命の木」のお話は結構あれこれ入り組んでいるのでそのなかのハナレのお話部分。穴のお話としてもごく一部。でもここだけ切り抜いても十分諸星大二郎の奇妙な雰囲気は出ている。
稗田礼二郎は阿部寛。さすがにもうジュリーじゃないんだ。原作の中で稗田礼二郎は「先生、ジュリーに似てる」と言われていたので、「ヒルコ」だと本当にジュリーなんだけど、こちらはこちらで。とはいえ眼鏡かける必要ある？稗田礼二郎って長髪でけっこうスカした感じなのにいざというときに頼りになる人なんだけど、この阿部寛が眼鏡かけて出てくるともう頼れるのはこの人しかいない感が満載。
ハナレの話はやはり「ぱらいそさいくだ」のシーンがクライマックスなので、どういう風に見せてくれるのかと期待してたがちょいと拍子抜け。想像を超える映像ではなく、映画化するならもう少し漫画と違う感動が欲しかったり。まあ日本の映画では仕方ないか・・。とはいえ雰囲気は出ていた。
お話のテンポが遅いのでこんなに時間かけるくらいなら他のエピソードもいれてよかったんじゃなかったかなと思った次第。
