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奇談 キダンのnyakoのレビュー・感想・評価

奇談 キダン(2005年製作の映画)
4.3
70年代宗教奇譚。
諸星大二郎の漫画短編「生命の木」が原作。
妖怪ハンターシリーズの一編で、阿部ちゃん演じる稗田礼二郎でシリーズ化してくれたらなあ。

こういうのが観たかったんだよ〜。最近は肝心な村を見せてくれない映画が多くてモヤモヤすることが多かったから…。

考古学者の主人公と異端の考古学者、稗田礼二郎が共に謎を追う物語。
舞台となる渡戸村は過疎がすすみ、隠れキリシタンの村として村おこしをしようとしていた。
近くにもうじきダムに沈むハナレという集落があり、村役場人はなぜかあまり語ろうとしない。

調べてみるとこの村ではたびたび神隠しがあり、いつもいなくなるのは7歳の児童。
犯人と噂されたハナレの住民は村八分にあっていた。
ハナレに謎が隠されていると考えた主人公たちは神父や村役場人を連れ、向かう。

十字架に釘で磔され、目を潰され、槍で村人から刺された男。
洞窟の奥、隠れキリシタンの礼拝堂の薄気味悪さ。
黒マントの3人ヨハネたち。
そしてぽつんとぽっかり広がる穴はインヘルノ、無限地獄。
今晩こんな悪夢を見てしまいそう。
おらといっしょにパライソさ行くだ!のセリフはなかなかのインパクト。

阿部ちゃん演じる考古学者が出てくると不思議な安心感、そこへサブで出てくる名脇役さんがぞろぞろ。
阿部ちゃんはトリックの毒気の抜けた上田って感じ。

重太(神戸浩)
村役場の職員、加納(菅原大吉)
芹沢教授(堀内正美)
神父(清水紘治)
おたえ婆(草村礼子)
ナレーション(津嘉山正種)
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