ポルりん

誰も助けてくれないのポルりんのレビュー・感想・評価

誰も助けてくれない(2023年製作の映画)
3.8
■ 所感

かなりの良作SFホラー。
会話という会話がほとんどないが、実際問題、自宅にエイリアンが襲撃したら悲鳴や絶叫、そして吐息くらいのもんで独り言などまず話さないだろう。
近年の邦画は、まず無駄な説明口調の独り言を話すが、違和感しかない。
何でもかんでも説明しまくりの日本映画製作陣(特にホラー、サスペンス)は本作を鑑賞し、色々と改めてほしい。
キャラクターやナレーションの説明でストーリーを理解するのではなく、映像からストーリーを理解する方を好む人なら本作をかなり楽しむ事が出来ると思う。

■ 演出

近年のSFホラーにしてはかなりレベルが高い。
エイリアンが襲ってきてから、エンドロールまで終始緊張しっぱなしだった。
俯瞰撮影も効果的に使ってるし、エイリアンも生々しく不気味に演出していていい!!


■ 脚本

全体的にはいいんだけど、主人公の過去の構成に関しては残念としか言いようがない。

主人公はどういう訳か、町中から嫌われており、無視は当たり前、あまつさえ唾までかけられる程の嫌われっぷりだ。
その原因を終盤まで引っ張るのだが、個人的には物語の冒頭で明らかにした方がいいと思う。
というのも、物語の中盤で主人公がエイリアン関係で町の人に助けを求めるシークエンスで、誰も主人公の事を助けてくれず絶望感を覚えるのだが、何故こんなにも主人公が嫌われているというのがノイズになって絶望感が薄まってしまう。
本当に絶望的なシーンなだけにもったいない・・・。

まぁ主人公が嫌われてる原因に何かしらのミスリードがあるのなら理解できるのだが、余りにも普通と言うか…予想できる範囲だったので、尚の事冒頭で明らかにして貰いたかった。
ポルりん

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