ダイナ

Saltburnのダイナのネタバレレビュー・内容・結末

Saltburn(2023年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

貧富の差なんてなんのその、友情の一線を超える愛…なーんて話じゃなく、陽キャに見染められた陰キャの成り上がりはちゃめちゃコメディ!なーんて話でもなく、性別や貧富間入り乱れた見栄を張り陰謀に踊らされ、足を引っ張り裏切られ、虚栄に縋り縋らせる愛憎渦巻くブラックコメディスリラー。陰キャビジュアルの主人公が心も体も健康的に真っ当な太陽みたいな友人の隣で支援されながら「心がヤバい奴」な面が徐々に顕になっていく過程は気持ち悪くも面白く、周囲の人間関係も呼応し変化していく様子はなんとも実験を観ているよう。「AはBをこう思っているがCはBに違う印象を持っている」という視点別の紹介も複雑ながら「暗躍の隙」を丁寧に見せてくれるのが良く、冴えない日常からゴージャスな海に飛び込んで憎悪や嫉妬が絡んでいく様子はもうポンジュノのパラサイトみたいでとても面白かったです。豪邸内の見せ方や迷路でのミノタウロスの存在の示し方もイイ!

音楽面について、block party好きなんで作中テンション上がりましたがなんといってもエンディング。最高でしたね。爽やかな音楽で爽やかに歩き回る。これまでの流れでこんな音楽流す!?!?感情ぐっちゃぐちゃにしてくるなぁ!?全裸でダンスするしかねえぞもう。

「THE BATMAN」のオーディションにバリーコーガンが送ったビデオを彷彿とさせて感極まるというか、歩くだけで底知れぬ闇の深さを纏わせてんのほんと凄いし過去作も今後も知っていきたい俳優を見つけたぞ!アマプラに感謝。でも映画館でも観たいしパンフも欲しい。
ダイナ

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