Pam

SaltburnのPamのレビュー・感想・評価

Saltburn(2023年製作の映画)
4.2
バリー・コーガンがビートたけしと似てるずっと思ってたけど、本当に似てた。

あのたけしの若い頃の何をしだすかわからないあの奇妙さ。

プロミスドヤングウーマンの女性監督が男性主人公をどう描くかがとても気になってた。もうこれはどぎつい。どぎつい。バリー・コーガンのわけの分からないズレがたまらん。

特に、ロザムンド・パイクとのズレズレの会話がしっかり噛み合うところなどはほぼ職人芸とというか、ふたりともズレてる設定たけど、このズレがちゃんと噛み合う。

しばらくするとこの物語は彼女に話していることがわかる・・・。。

書きたいところのエレメントが多すぎて濃い映画である。



####ここからはネタに関すること#####



バリー・コーガンのお風呂水飲みと死んだ友への墓場ファックと最後の裸踊りのシーンだけでもすごい。

ただ、プロミスドヤングウーマン同様あれあれあれ、、とだんだんだんだんおかしいなと思いながらも話は進んでいき。。そして最後の10分前ですべての種明かしが始まるという。。

オリバーには誰も気を止めない。スーパーで買ったような服装のオリバーと、ちゃんとブティックで買ってるんだけどそれらしく着ない貴族のおぼっちゃんとの対比。

それから城のシーンの美しいこと。
ポップなパーティや音楽のセンスはさすがのプロミスドヤングウーマンな監督。

でも最初さから最後までお屋敷の執事ダンカンだけはわかってた気がするね。だから最後の方でも「彼はどうしてる?」って聞いてた。とにかくこれはすごいスリラー。見返すと、あれ?こんなことが?が多すぎる。

とにかく最後の10分までは見逃してはダメ。一気に見て。これエンタメ。決して階級差の話じゃない。階級差の話と言ってるあなたはまちがい。これは自分の持ってないものを渇望したある青年の話。



そのためならそんなものさえ飛び越える憎悪であり憧れであり、ズレた人たちの憤りの負のエネルギーをどう消化し感じるか。。

しかしキャリーミリガンが目立ちたくて死んだと描かれる英国風ジョークには寒気がするが腹を抱えて笑った。。

たまらん。酒美味しくなるわ。
Pam

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