物語の導引部となる大学キャンパスの流れからこういうエンディングを迎えるとは。
バリー・キオガン出演作はハズレなしだがこれまで煽情的な演技はあまり見たことがない。こういう役はあまり期待していなかっただけに新鮮だが、キモエロなバリー、見たくなかった（反語）。
オリヴァーが家族一人ひとりに触手を伸ばし、貴族の館で繰り広げられる優雅に過ぎるはずだった夏を見事に破壊へと導いていく様はなかなかに強か。
最初のモノローグで語っていた通り、オリヴァーのフィリックスへの想いが本当に恋だったのかどうかは作品では明示されない。あの「衛生的にどうなのよ」と思える衝撃的なシーンから察するに性的に反応する対象ではあったのだろう。
とはいえ最後のジョーカー（あるいはキングオブコメディ）のエンディングのようなダンスシーンから想像するに、いやいや、オリヴァーはやっぱり一人で生きていくことを選んだ、個として非常に強い人間であり、これまでに経験値の少なかだったであろういっときの甘美な性の誘惑をあのダンスのように軽やかに越えていけるのがオリヴァーなのだ、という説明のほうが納得できる。
