ごんす

Saltburnのごんすのレビュー・感想・評価

Saltburn(2023年製作の映画)
4.2
オックスフォード大学に通うオリバーくんは学校に馴染めずにいる。
ある日貴族のような暮らしをする裕福な学生フェリックスと出会う…
あぁ『花より男子』のつくしがバリー・コーガンみたいな話ねと思って鑑賞したら冒頭から不穏ですぐそんな話ではないと察した。

お風呂とか血とか全裸とか数々の映画で使われてきた演出を今キレッキレの人が提示するとこうなるのかと目を丸くして観てしまった。

微ネタバレするかもしれないです。


とりあえず馴染めない者同士近くにいるやつと友達になるというのはありがちだけど、よりによって自称数学の天才の癇癪持ちという強烈な個性の持ち主のメガネくんだった。
「なんでも暗算できるから試しに問題だしてみ?」
「いや、信じるよ」
「試せって言ってんだろ!!!!」
なかなか面白いシーンであった。

スクールカーストで一軍に上がるには初期の友達を捨てなければならないシーンが出てきて心が痛むことが多いが、彼はちょっと怖いから普通に離れた方が良いかなと思った。 
そして予想以上にあっさり決別する感じが凄いリアル。

ひょんなことからお金持ちの美男フェリックスに気に入られ、大豪邸ソルトバーンに招待される。
お母さんロザムント・パイク!?と驚いた。
これは感じ悪いんだろうなと思いきややはり感じ悪い。
凄く嫌な人かと言われるとそうでもないんだけど自然体でいればいるほど人を見下しているように感じる。
「私って醜い人が嫌いなの」や「最下層の人が住んでるんでしょ、怖い」など発言する時の表情は本当にちょっと怖がってたりもしてお金持ちだけど頭は良くないんだなと分かる素晴らしい演技。

フィリックスまわりの登場人物とか見てすぐ話の展開はこうなるだろうなと分かりやすい。
だけど観ている間は絶妙に冒頭の独白を忘れていたので最後はまんまと驚いた。
そこで喋ってたんだ!と。
『プロミシング・ヤング・ウーマン』の冒頭はダンスしている男の股間にフォーカスしたショットが居心地悪かった記憶があるけど今回は全裸ダンス。
これはもう踊るしかないといった所か。
この先も観たいぐらい。

日本語吹替えも気になり少し観てみたらかなり良かった。
最近の吹替えは自分の子供の頃の吹替えのイメージと全然違うと今頃感心。

とにかくバリー・コーガンと同等の魅力を持っている野心家の奴が観て「なるほど!こうやってやれば良いのか!」と色々真似しないでほしい系映画1位であった。

観ている間、大好きなジョジョの第一部を思い出した。
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