年始に見るには相応しくない、気色悪く後味の悪さが引き立つ作品
監督の前作『プロミシング・ヤング・ウーマン』にもあったヒトコワと後味の悪さは本作でも健在である。
何がどう気色が悪いのかは、主演のバリー・コーガン(キオガン)に起因するのだが、内容に触れるため最低限の記録に留めておく。
オックスフォード大学に通う学生オリバー(コーガン)は地味な性格なため友人はおらず、スクールカーストの底辺に身を置きつつあった。ある日ルックスも良く裕福で人気者のフェリックスを助けたことで、人気者グループに加わることに。そしてフェリックスの邸宅“ソルトバーン”に招待され、ひと夏を過ごす事になったが・・・
バリー・コーガン(キオガン)は一風変わった役柄が多く、『エターナルズ』のような作品でも、クセのあるキャラクターを演じていて、見た目の強さから固定イメージを持たない貴重なカメレオン俳優だと思う。
本作の後味の悪さはコーガン効果で再度も見たくないと思わせる。これこそ監督の狙い通りなのではないだろうか。自分はまんまと引っかかった口なのだと思う。
冷静になると、中々の出来であるとも思えるので、気分は悪くなるが無下には出来ない秀作と思える。