このレビューはネタバレを含みます
人間の持つ底知れない欲望と狂気、愛情と憎悪の狭間、特権階級にある人の立場の危うさについて考えさせられる。
前半は心穏やかに観ていたが、後半は全く変わり心乱されながら観ていた。画面を手で覆いながら観るシーンすらあった。
フェリックスが屋敷を案内するシーンは美しい。
途中から、もしかしたら、主人公が全部仕組んでいたかと思っていたら、ほぼそうだった。主人公は、一体どんな人間でいつからどう考えどう行動していたのか。普通の温かそうな家庭で育ったらしいから、育ちはあまり関係ないのだろう。少しずつ、少しずつ、歪んだ価値観を育み、目の前に現れた初めての愛する人に対して欲望と元から持つ狂気が爆発した感じ、だろうか。
最後、アップテンポの曲で満足気に裸で屋敷中踊り回る姿が、色々キツいけど、自分的には割と良いラストだった。