颯空

Saltburnの颯空のネタバレレビュー・内容・結末

Saltburn(2023年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

一瞬、「君の名前で僕を呼んで」の再来かと勘違いした自分を奈落の底へ突き落とすような大どんでん返しストーリー。

そういった類の筋は使い古されてはいるけど、ただのどんでん返しでは片付けられないほど、それが起きるまでの過程においてバリーコーガンのゲイであるキャラクターとして身体を張った演技は、そこにまさに嘘はなく切実な情欲や固執した愛を表現していて、物語の最終的な着地点ではないにせよ凄まじかった。

キューブリックのオマージュも至る所で見当たるし、音楽の使い方、特にラストで起用されるMurder On The Dancefloorのあのギャップはもろにそれを感じるもので、あそこまでくると流石に清々しかった。

そして、00年代のティーンという設定に、あのサウンドトラックが付随するのも素晴らしい。Bloc PartyやThe Killers, MGMTなどの当時のインディーロックが主人公たちの日々を彩っていく様はまさに憧れた青春そのものだった。とても良かったです。
颯空

颯空