散歩

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章の散歩のレビュー・感想・評価

3.9
大きな出来事に不謹慎にも何かが変わる予感に胸が震えたりして、でも結局何も変わらなくて徐々に機能不全を起こしていく社会にいつの間にか慣れてしまって…何か分かる。序盤は「なんで今更2010年代の閉塞感をまたやってんだろ」って思ってやや退屈に感じたりもしたんですが、話が進むにつれて戦中くらいから戦後の左翼運動くらいの感覚も出てきて、最終的には「これ、まさに今じゃん!」って思えたりもして、結果面白かったです。観終わると序盤の退屈感も作品の中で機能しているようにも感じられて良かったです(計算だったのかは分かりません)。ぼんやりとした毎日に近いところで不幸が起きたことで急に輪郭がハッキリしたような感覚になって、ラストシーンもそこに重なるような感じがして、2回ほどチョット泣かされそうになりました。後編も楽しみですが今作が完全なアート映画だったらこれで終わりでも良かったかも、とか思ったりもして。
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