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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章のmasayaのレビュー・感想・評価

4.1
大きな宇宙船がやって来て、沢山の人が死んだ。決定的に姿を変えた世界で、取り繕うように人々の日常が続く。そんな時代でも少女たちには唯一の生きる時代。平凡というには特殊すぎる青春を謳歌する二人と、更なる破滅の予感。衝撃の前章、広げまくりの風呂敷を後章でどう回収するか。

意思疎通できない他者あるいは圧倒的な自然と対峙し、不可逆的な変容を強いられズタズタに分断された現代社会を背景に描きながら、あくまでシュールでシニカル、ポップで緻密な群像劇を主筋に置いた原作の作風を前面に出した映像化。厨二病セリフ、漫符の多用、キメ構図、これは癖強ファンも納得でしょう。

スケールの大きいSFではあるけど基本おんたんと門出ちゃんのキュートさが牽引する作品。二人の関係性の深さの掘り下げ、ある悲劇のシーンと期待以上だった。あのちゃんヴォイスのはにゃにゃフワーの脱力感は至高。そして兄ひろしの美声。イソベやんのうさんくささ。

・個人的に嬉しかったのは「デデデデ」連載当時の浅野いにおさんとでんぱ組incのコラボ曲「あした地球がこなごなになっても」が劇中曲として使われてたこと。
https://youtu.be/x-79hDn8RCA?si=rsUOPFu7F9AyQHne

・個人的に解釈違いがあったのがおんたんの呼び方、アクセントの場所が「ロンドン」じゃなくて「混沌」と同じだったこと。


原作アニメ化特有の現象で、デデデデで特に顕著だと思ったのが、マンガではある程度スッと入ってきた視覚優位・文語多用のオタク少女のセリフがアニメーションでは一瞬何言ってるか解らず発言者のエキセントリックな印象を増すだけになってたこと。オタクそういうことなんだぞ
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