鶏

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章の鶏のレビュー・感想・評価

4.2
『1日も早く後章を観たい!』

原作漫画の存在すら知らないタワケ者の状態で、かつまた題名すらちゃんと言えない状態で観に行きました。本作は「前章」と銘打っており、「後章」は5月24日公開を待たねばならない訳ですが、結論から言うと無茶苦茶面白く、後章公開まで2か月も待たねばならないのは非常に残念です。

内容的には、ある年の8月31日に、宇宙から謎の「母艦」が舞い降りてきたことを発端に大幅に歯車が狂いだした世の中にあって、主人公の”デーモン”こと小山門出と、”おんたん”こと中川凰蘭を中心とする女子高生たちの青春を描いたお話でした。宇宙人が出て来ることからSFチックな部分もあれば、普通の高校生の学校生活、恋愛、進学、オタク文化なども物語の中心にあり、さらにはアメリカに従属する日本の情けない現状や、”正義”って何だろうというある種哲学的な問いかけ、さらにはドラえもんのオマージュのシニカルな劇中アニメ、そして福島第一原発事故のメタファーなどなど、盛りだくさんの内容を実に見事に統合した展開に、度肝を抜かれました。

かように壮大なスケールで上々な出来栄えの本作でしたが、冒頭にも行ったようにお話の結末は「後章」を待たねばならないということで、そちらを観てから総合的な感想を述べるべきかなと思いました。

そんな訳で、本作の評価は(暫定的に)★4.2とします。
鶏