ヨミ

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章のヨミのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

うーーーーーむ?????わからん

(安全地帯である)東京と原発、という構図が提示されていることはあからさまなのだが、それは作中の「はってんさんいち」ということばの登場により比喩ではなく明示された主題となる……なるのだが、本作がそれをどこまで引き受けているのかは判然としない。ずっと捉え損なったこと確かなので、よい映画なのだと思う。現実との接点が不明瞭だ。明らかにリーボックのポンプドフューリーが描かれ続け、現実との接地を持とうとするも、どう考えてもドラえもんが「イソベやん」なる架空のキャラクターとして表象され続けるねじれ。
アニメーション表現として新奇な部分は見つけられていないのだが、おもしれーーと思ってみていた。のだが、途中からの回想シーンでは主に「新世界の神となる」で済むのでは?という(もちろんそんなわけにはいかないのだが)、ところだったり、浅野いにおがそうなのかはよく知らないが、ちょっと露悪的すぎない?というシーンは目についた。「社会学」部出身の教員が援交を持ちかけたり、「プロ市民」や「ネットでみんな言っている」など。全方位を入れてみようという気概はあるのだろうが、まあそのへんはどうしてもサウスパークのような達成はない。というか、特定の思想というよりむしろ、どうも観たひとがなんか言いたくなるワードをわざと散りばめている性格の悪さを感じる。ひとに何か言わせるスイッチ、というか(そんな「虐殺の文法」に乗ってはいけない)
さて、常に何かがひっくり返される予感(しかしそれは予感のみである)が2011年3月以降のわれわれの世界認識に組み込まれているのだとしたら、その空気でこの作品を満たそうとする意思は常に感じ、そしてそれはある程度以上成功している。ギャグらしきものがすべてすべっているというのがどこまで意図的かは不明だが、しかし劇場アニメとして期待されるものに応答はしていたと思う。100分くらいにできなかったか、とも感じるが、後章に期待している。
ヨミ

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