メザシのユージ

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章のメザシのユージのレビュー・感想・評価

4.0
2024/04/05
立川
(19回目)
「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章」

デーモンの大量殺人、穏やかでは無いタイトル。

東京上空に突如として巨大な宇宙船「母艦」が襲来し、世界は終末を迎えるかに思われた。しかし、特に何か酷いことをしてくるわけでも無い。「母艦」のプレッシャーを感じながらも人々の生活は続くことになる。大人は仕事はするし、子供たちは受験で悩む。

異常も、日々続くと、正常になる。

いつかおきると言われてる首都圏直下型地震、地球温暖化、未知のウィルス、映画のなかの「母艦」のように目の前に存在はしないが、リアルな世界でも、誰もが「あることは分かってるが、生活は続けていく必要がある」状態で映画と似ているかもしれない。

「母艦」は何のためにやって来たのか?
果たして本当に侵略者なのか?

「優しさを失わないでくれ。弱い者をいたわり、互いに助け合い、どこの国の人たちとも友達になろうとする気持ちを失わないでくれ。たとえその気持ちが何百回裏切られようと。それが私の最後の願いだ」

これは「ウルトラマンA」最終話でのAの言葉。寛容性や歩み寄りがないと対立しかない。「母艦」と言う大きなものだけじゃなくて、人と人との関係性においてもそれは言える。「こいつは悪である」と決めつけることの怖さ、愚かさ。

女子高生の小山門出と「おんたん」こと中川凰蘭、二人の主人公が可愛くて、可愛くて。それだけにこの話が後編でどこに行くのか楽しみであり、心配でもある。