ヤッスン

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章のヤッスンのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

原作を一切知らないので、良くも悪くもどう話が転ぶのか予測つかず楽しく引っ張られた。
『第9地区』が始まったと思いきや『ドラえもん』からの『デスノート』!?

前半部分は特に好みで、まさに第9地区の日本版だとも思った。
ビジュアル的な面だけでなく、そのように世間が大きく変わってしまったとき、そこに住まう人々の生活はどのようになっていくか。
日本の場合はあまりにも早い受け入れ、冷笑だ。
前提条件が大きく変わったことを悲観し変わる前を偲ぶ大人もいるだろうし、
青春真っ盛りの子どもからすれば知ったことではない、いっそ無くなってしまっても良かったのではないかとさえ思う。

情報社会において、その大きな変化は「ネタ」の範疇に収まることもあるし、誰が書いたともしれない情報の中で自分の主張・思想に都合の良いものばかりが大声に見えてくる人もいる。

けれど生活は続けないといけないというのが大半の人で、話題の中心は恋だの進路だのになっていく。
政府が宇宙船を撃墜したことで隣のクラスの生徒が死亡しても、数秒後には別の話題になる。

コロナ禍を経てこの日本人の空気感の説得力は絶大で、同じことが起きればきっと同じような生活をする女子高生がいるに違いないと思えた。

そして前章の後半、過去(やり直した別の世界軸?)が明かされて一気に物語が加速する、するのだが
前述のとおり、「世界が変わった中で、ボトムダウンした視点の生活の物語、宇宙人とのアレコレに直接は関わらない距離感で物語が進む」として観ていたので、しっかり小学生時代に宇宙人と関わっていたと分かり、少々面食らってしまったのが正直なところ。

後章でどのような着地を迎えるか楽しみにしておきたい。
ヤッスン

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