みなづきはる

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章のみなづきはるのレビュー・感想・評価

3.9
The・浅野いにおワールド。

日常の中に非日常が侵食、融合していく「デデデデ」の元々の設定はさることながら、いにおさんの世界の捉え方が素敵すぎるし、それを上手く汲んで映像陣も制作しているんだよなぁとワンカットワンカットに嘆息。
ざらつく、また1歩間違えれば黒歴史にもなりかねないような青春のひと幕、世界といっても身近が全てで、全体のことなんてとてもじゃないけど考えられなかったあの頃が、おんたんや門出のやり取りを通して眼前に立ち現れてきた。あの頃(というかたまに今でも)全部なくなってしまえって思ってたもんな、という心の奥深くを抉ってくるシーンも満載。

んでまた今の社会情勢にもすごく食ってくる様な仕上がりというか。これが今映画としてやっていることに奇妙なリンクを覚える。薄ぼんやりしているというか、平和ボケというか、でも上層部ではなにかことが起こっている不穏さというか。

とはいえ謎の多く残る仕上がりなので、後半の伏線回収&怒涛展開は引き続き期待。
主演キャストは賛否分かれそうだけどわたしは正直いくらちゃんのファーストインパクトは若干違和感あったかも。(なんか、なんて言うんだろう?後付け感というか口パク感というか)けど話が進んでいくにつれて二面生を感じたりとか回想とかのシーンを経たりとかしてって終わりにはすっかり馴染んでました。あのちゃんについては個人的に好きすぎるのでどうがんばっても贔屓しちゃうから何も言わないとくな。まぁ良かったけどな。

特に初速?もう少しテンポよくてもいいのかなと思ったのでスコアはこんな感じです!


「もし何かが起こったとき、俺たち凡人は受けいれるしかできないんだ。そんなとき、希望を失わないためには、どうすればいいと思う?」