金魚鉢

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章の金魚鉢のレビュー・感想・評価

4.3
現実世界と隣り合わせにある絶望感にサブカル色を加えたような独特な世界観が癖になる。正直、声優陣の話題性で評価も上がっているのではないかと、物語自体の評価を半信半疑で観にいったのですが、2人の演技も素晴らしく中毒性のあるディストピアにまんまとハマってしまいました。
良くも悪くも主人公2人の魅力で成り立っている印象で、中川鳳蘭の掴みどころのない個性の塊のようなキャラクターと小山門出の優等生でしっかり者ながらどこか翳りのある性格のバランスが絶妙。共に周りに馴染めない部分があることで2人にしか分からない絆が強調されていて、おんたんが本音を漏らすシーンで思わず目頭が熱くなってしまった。過去のパートに移った際の2人の関係性のスイッチなどに自分はどこか松本大洋作品のバディ感を感じ、すごく好みな作風でした。SFながら時より出てくる歪んだ正義や災害に対する心情がリアルで、門出の言っていた「私は元来不謹慎な人間でこれから何が起きるのか期待してしまっていた」のところなど少し共感できてしまうところもあった。
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