となりの

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章のとなりののレビュー・感想・評価

3.5
みた。自分向けではないと感じた。

アニメ(化)としてはとてもレベルが高いと思うのだけど、アニメーションが光るわけでも、映画として面白くもなかった。

原作は途中までしか読んでないのだけど、浅野作品の面白さは、共感性(羞恥)ではなく、現実とフィクションの入れ子構造と、それが生み出すメタ的な冷笑性にあると考えていて、それが映画という媒体とハマっていない気がする。

つまり、浅野作品は、現実をトレースした背景の上にキャラを乗せるという、マンガ固有のメタ技法によって、自己意識の肥大を描き切り、その作品のページを手繰らせることで読者を共犯者として外部に召喚することで、現実とマンガは相互に包摂し合い、その距離化に捉われることで読者は嫌な気持ちになるという。

それに対して、本作では、背景は綺麗な美術に置き換えられてしまい、マンガ中マンガの構造は映画中漫画に置き換えられてしまい、固有のメタ性はなくなり、観客は自らまなざすことの意味を問うこともなくかり、安心して見られる毒気のある青春劇になっていやしないだろうか。

というか、それこそがねらいなのだろうし、自分向きではなかったというだけなのだろうけど。
せめてテンポ感がよければ。。
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