歪すぎる純愛。愛のベクトルが真っ直ぐに向いていようが人の心は変わらない。
恋愛とは一方の偏愛ともう一方の妥協で成り立っているのだろうか。
互いに深い傷を負うことで初めて対等になり向き合える。
“目の死んだ”橋本愛も見事だけど木竜麻生が恐ろしかった。
何を考えているかわからない橋本愛の死んだ目とふと放つサイコパス笑顔がたまらなく印象的。
ある一致する利害をもって夫婦となった沙苗と健太。彼らの結婚生活が忘れられない恋によって崩れていきます。
しかも様々な登場人物の“好き”のベクトルがバラバラに行き交うのでこれが後半にかなり面白い形でクロスする展開が面白い。
全体的に画が単調で体感時間長く感じたのがマイナスポイントですが、狂気たるある意味のなかなかない純愛映画を観たい方にはおすすめ。
いやぁ本当ここ最近、木竜麻生さんに魅了されつつある。この人すごいですよ。
『わたし達はおとな』
『Winny』
『福田村事件』
そして『熱のあとに』
どの作品でもすごく印象的。
個人的には『福田村事件』の正義感の強い新聞記者の役がとても好きでした。
そして、本作のよしこが実に不気味である意味主役の橋本愛を食っていたように思えます。
〈キャスト〉
小泉沙苗(橋本愛)
小泉健太(仲野太賀)
足立よしこ(木竜麻生)
園田多美子(坂井真紀)
藤井圭子(木野花)
宇佐美美紀(鳴海唯)
望月隼人(水上恒司)
※2024年新作映画15本目
※2024年劇場鑑賞18本目
