マクガフィン

熱のあとにのマクガフィンのレビュー・感想・評価

熱のあとに(2023年製作の映画)
3.1
同じ事件をベースにした『そこにいた男』では、男女間の愛情の差異を描いたが、この作品は本人以外には分からないこと・分かり合えないことを描き、常軌を逸する愛(愛の一部分が極端に偏ったメンヘラ)が、周囲を共倒れにしていく。

中盤からヒロインが観念的になったり、終盤のプラネタリウムでは作為的になったりする演出のブレ。セリフ語りも多く、モチーフの重厚さを上手く捌き切れていないことが残念。何気ない楽しかったエピソードも必要で、人其々の愛のカタチや分かり合えないけど向き合うことなど、尖ったモチーフを描くのなら、空白の時間ではなく余白を作って想像を促さないと、肝心なことが響いてこない。