IDEAコメント低浮上

クラユカバのIDEAコメント低浮上のレビュー・感想・評価

クラユカバ(2023年製作の映画)
3.1
私個人としては、TVアニメはゼロ年代までで見限り(理由は様々あるが)、その後はオリジナルや小説原作の劇場アニメに限ってのみアニメを追っている。
(漫画原作の劇場アニメについてはもともと絵があることからあまりアニメ化の意義を感じない。アニメ化や実写化の意義は、たくさんの読者の頭の中にしかないその作品の映像を、ひとつの答えとして具現化することにあると思うからである。)

さて今作、オリジナルのレトロフューチャーな世界観、大正レトロな雰囲気を醸し出す映像は一見の価値ありで素晴らしい。
主人公を演じる講談師・神田伯山の軽妙な語り口もファン必聴。

しかしながら脚本が弱く、監督の過去の短編を追っている方からすれば問題ないのかもしれないが、今作単体で面白い!と評価するには消化不良を起こしすぎる。
クラウドファンディングで資金調達に成功し、同日公開の『クラメルカガリ』と併せて2作の作品を商業公開したのであれば、今作のみで世界観に没頭できるように情報量を増やすか、『クラメルカガリ』との強いクロスオーバーで補完するかどちらかは必須であったと感じる。
続編の制作が決まっているなら別だが、現時点では製作陣の熱意のみが空回りしている印象。