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クラユカバのMasterYuのレビュー・感想・評価

クラユカバ(2023年製作の映画)
3.4
探偵業を営む荘太郎のもとに、集団失踪事件の話が舞い込む。
現場には必ずいく筋もの「轍」があるという。
荘太郎は、同じように姿を消した情報屋サキを見つけ出すために、地下の「クラガリ」へ足を踏み入れるが・・・。

オリジナル短編作品を発表してきた塚原重義の長編作品。
同時公開の「クラメルカガリ」との世界観の繋がりあり。
どちらを先に観るか?というと、正直どちらから観ても問題はないですが、私的には「クラメルカガリ」から本作を観るとバランスが良いような気がします。

その空想大正ロマンとスチームパンクが融和した世界観には惹かれるし、その世界を表現した作画・設定は、真新しいところはなく、既視感バリバリなデザインではあるものの、監督のこれが「好き」なんだという雰囲気が感じられるところが程良い。

主人公が大正ロマンな雰囲気の中、探偵稼業を営んでいるという捻りもない設定なのはご愛嬌。
61分という尺にしては色々詰め込み過ぎで、それ故に駆け足感が強い構成になってしまっているのは残念なところ。

締め括り方がとても中途半端に感じてしまうわけですが、この世界観を広げて作品を作っていきたいという意図なのでしょうし、舞台設定は好きなので、是非このユニバースの広がりには期待したいですね。

同日に「クラメルカガリ」と本作を続けて観たので、ひと繋がりの世界観を間髪入れずに堪能できたのは良かったのかもしれません。
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