コムギ

クラユカバのコムギのレビュー・感想・評価

クラユカバ(2023年製作の映画)
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先にクラメルカガリを観ていたので世界観が飲み込みやすかった。
失踪事件を追って地下へ地下へ…“クラガリ”へ進んでいく過程が、探偵である主人公の男の、失われた自身の記憶を巡る精神的な旅と重なる。暗くて怪しい雰囲気が最高。
都市は巨大な外部記憶装置なんて考え方もあるけど、あの箱庭の多層構造がそこで暮らしてきた住人の歴史や記憶の積み重ねそのものなんだよね。だから、過去に囚われている人間ほどクラガリに曳かれてしまうんだろう。
荘太郎の過去も気になるけど、タンネの過去も気になる。

実験的な映像表現もあってすごく遠くに連れて行かれたような不思議な気分。
神田伯山もめちゃくちゃハマっててよかった。
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