ポレポレ

クラユカバのポレポレのレビュー・感想・評価

クラユカバ(2023年製作の映画)
4.9
(2024.04.19 ユーロスペース)
スチームパンクな世界観がたまらない。先に観た『クラメルカガリ』は本作のスピンオフらしく、共通して登場するキャラクターが何人かいた。

幻想的で近未来的で頽廃的な“クラガリ”の世界と、理屈が通るような通らないような謎と展開は江戸川乱歩の小説のよう。世界観や用語の理解も含め、本作も『クラメルカガリ』同様に一年または半年をかけた長さで鑑賞したい。60分じゃ全然足りない! 荘太郎(神田伯山)とタンネ(黒沢ともよ)のコンビの活躍をもっと観たい!

チャラン・ポ・ランタンの主題歌「内緒の唄」はよかったが、劇場の音響設備のためか、歌声がひどく甲高く鋭く聞こえてしまった。


(追記 2024.05.08)
2回目の鑑賞。何度観てもいい!

荘太郎という自堕落だが、やる時はやれる行動力を持つ男の命を見事に吹き込んでいる神田伯山の演技が素敵。キャスティングの妙。

頼れる指揮班長(佐藤せつじ)と、なんだかんだで優しい時計売り(佐藤)が推しメン。戦闘中に作戦の成否で賭け🎲に興じる“鬼の四六三”乗員たちも好き。やはり半年〜1年期間のテレビアニメとして鑑賞したいところだが、クオリティーが保てなくなるか。

昔の見世物の広告にあったタンネらしき少女の姿、クダギツネ、福面党、荘太郎の父 荘八(中島ヨシキ)の行方、集団失踪事件の全容と真相……気になることが山ほど! 全て語りきらない/きれない展開であることもあり、何度も観たくなってしまう! 激しいドンパチの場面でジンタや歌謡曲やクラシック音楽が流れる緩さもたまらない!

以前は鋭く聴こえて難儀した主題歌「内緒の唄」も、今回は問題無く聴けた。やはり劇場の音響設備に因るものだったか。

登場人物や世界観を深く知りたく思って売店を覗いたら、パンフレットが売り切れ!😭 類を見ないすごい作品だから、皆が欲しがる気持ちも解るけど。
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