おくら

恋するプリテンダーのおくらのネタバレレビュー・内容・結末

恋するプリテンダー(2023年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

見たかったグレン・パウエルが300%見れた!嫌味で軽薄なやな奴を演じさせたら右に出る者はいない顔!
だけど、それだけじゃないキャラクターの背景を雄弁に語る目。今回も期待通りのラブコメを見せてもらった。

シドニー・スウィーニーの沢山傷ついてきたからこそ、強かにならざるを得なかったビーのキャラクターがすごく愛しく見えた。
まだ純粋に人を信じてた頃と疑心暗鬼になってツンとした表情の頃の差がかわいい。マダム・ウェブの時とはまたガラッと変わった表情が見れて満足でした。

主演の二人だけでなくて姉夫婦や友達、両親たち等の他のキャラクターが全員満遍なく出番があって、みんな好きになっちゃうくらいチャーミングで愛に溢れている。

こういう作品だと、どうしても主役の周りに心無い言葉をかける敵を作って、観ている私も嫌な思いをしがち。
でも、この作品は根底に愛があって、互いに相手のことを本気で好ましく思っているからこそ、気にかけているのが伝わってくる。
望まない人に結婚を押し付けるのはちょっと…と思うけれど、望んでいるのにできないと悩む人には私たちがバックアップして叶えさせてあげたい、という応援の気持ちが伝わってくる。本人たちの目にはそれが重荷に映るんだけどね。
強いて言えば「自分の敵は自分」
素直になれない・あと一歩勇気が出せなかった自分のせいで、後手後手にまわってさらに苦しい事態になるのがこの映画のプリテンダーたちだった。

この作品は“ラブコメ”のコメディが強い印象で、「どうぞ笑ってください!」と言わんばかりのシチュエーションにまんまと乗せられる。シアター内の観客のクスッという笑い声があちこちから聞こえてくる1時間44分だった。
劇場公開されたら、あと5回は観に行く。
おくら

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