ヒノモト

4つの出鱈目と幽霊についてのヒノモトのレビュー・感想・評価

3.8
昨年末までに観た映画で感想を書いてない作品が溜まっているため、少しずつ言語化していきます。

先日の「彼方のうた」に引き続き、小川あんさん主演作品。
すごく惹かれるタイトルのチラシを見つけて、最終日滑り込みで観ることが出来ました。

幽霊という存在について、全く異なる4つのアプローチで現実のすぐ隣にあるような、決して甘くないファンタジー短編集。

幽霊そのものを映像化するのではなく、会話の中だけの存在であったり、亡くなった人や、漠然とした闇に対して、タイトルにある出鱈目=嘘が、登場人物たちの小さな物語の中に作用していくことが、それぞれのお話ごとに全く異なるシチュエーションで展開されることに驚きがありました。

それぞれ、もう少し観ていたいというところで終わってしまう物足りなさはあるものの、短編ならではの断片的な情報のみで見せることの世界観の奥行きへの片鱗が見えたり、実存していないにも関わらず、その気配や、信じようとする想いが、映像の節々に表れていて、また観直したくなる作品でした。
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