地底獣国

雪山の絆の地底獣国のレビュー・感想・評価

雪山の絆(2023年製作の映画)
3.8
今はupすべきじゃないのでは?とも思ったが災害サバイバルもの、という事で。

「ウルグアイ空軍機571便遭難事故」が劇映画として製作されるのは本作で三度目。ドキュメンタリーはWikipediaに掲載されているのは3本だが、テレビ番組のいちエピソードとかを含めると大量にあるかも。

過去に作られた映画は未見なんで比較はできないが、山の怖さ、自然の容赦無さをこれでもか、とばかり喰らってぐったり。犠牲者の名前と享年を一人ひとりテロップで出すのと、終盤生存者の名前二回ずつ読み上げる場面もずしりと堪える。

飛行機が出発するまでが長すぎんか?とか逆にフライトの過程を端折り過ぎじゃね?とか最初思ったが、教会のシーンで「イエスの血と肉」の話をしていたりと、ちゃんと前振りをしていたんだった。

で、この事故を扱うにおいて避けては通れないセンシティブな部分、「聖餐」については、そこに至る葛藤を描くことに重きを置いて、刺激の強い描写は控えられている。その点に不満が無くはないが、興味本位に消費させまいとする姿勢、関係者への配慮と考えれば納得はできるし、ボーダーラインギリ手前ぐらいの表現はしている。アルトゥーロが「信仰は今までにないぐらい強くなってる、だが俺が信じるのはお前の神じゃない(うろ覚え)」と語る場面が白眉。

本作と続けて「豚」を観てしまい、なんというか色々複雑な思いが頭の中を駆け巡り整理がつかない(いま豚って書いた途端に「ゆきゆきて神軍」思い起こした)。
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