残酷だが酷く美しい。彼らは自らの身体を以てして命のボールをパスするかのように仲間を生かした。
1972年10月13日に起きた“ウルグアイ空軍機571便遭難事故”から着想を得たNetflixオリジナル作品。ウルグアイのラグビーチームと友人家族らを乗せた飛行機がアンデス山脈に墜落する。乗員乗客45名のうち29人が死亡し、残りの16人は72日間に及ぶ雪山でのサバイバル生活の末に生還した。
この事故の映画は何本か既に作られているらしいけど本作以外は未見。あったこととしてのドキュメンタリーのような淡々さと映画的な良さを良いとこ取りしたような作りになっていて、実際の事故を扱った映画として自分は好きなバランスだったのは確かだけどもっと上手く出来た気がする。現実はひたすら地獄だろうし。
生き残った16人は故郷に帰り奇跡として英雄とされるのか。どのようにして生き残ったのかを知った後でもそれは揺るがないのか。少なくとも自分のように布団に包まりながら見た部外者がどうこうなんて言えるはずもない。
