HAYATO

雪山の絆のHAYATOのレビュー・感想・評価

雪山の絆(2023年製作の映画)
4.3
2024年14本目
Netflix Film
『ジュラシック・ワールド 炎の王国』のフアン・アントニオ・バヨナ監督作
1970年代に発生した遭難事故の実話をもとに描いた人間ドラマ
アンデス山脈の奥深くに飛行機が墜落し、過酷なサバイバルに直面した生存者たちは、生きて家族の許に帰るため、互いを鼓舞し合って極限の試練に立ち向かう。
『コンクリート・ユートピア』然り、今このタイミングでディザスター映画を見るのは人によっては注意が必要かもしれない。
J・A・バヨナは、2004年のスマトラ島沖地震で津波に巻き込まれた一家を描いた『インポッシブル』で監督を務めた方なので、本作を見るのが非常に楽しみだった。
自然災害の恐ろしさをリアルに描いた『インポッシブル』と同様に、本作の事故の描写は非常に生々しく、特に怪我をする瞬間の映像は目を覆ってしまいたくなるほど痛々しい。
雪山に墜落しただけでも想像絶する大変な状況なのに、寒さや飢え、雪崩など、次から次へと試練が襲ってくる様子はあまりに辛い。
危機的な状況の中、生きるためにすべきことは何なのかを考え、助け合う姿に感銘を受け、各自の専門知識を有効に活用していく様はすごいとしか言いようがない。
冒頭のラグビーのシーンではチームプレーを全くできていなかったロベルトが、雪山で苦しむ仲間のために必死で頑張る姿に胸が熱くなった。
生存者が死者の人肉で飢えを凌いでいたことが物議を醸していたようだけど、本作を見れば彼らを責める気持ちなんて全く湧いてこない。
「ウルグアイ空軍機571便遭難事故」は、数ある航空事故の中でもかなり有名な事故なので、なんとなく概要は知っていたものの、本作を通して改めて事故の壮絶さを思い知り、絶望に負けず、不屈の精神力で戦い抜いた彼らは、最後で諦めないことの大切さを教えてくれた。
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