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雪山の絆のAKANEのレビュー・感想・評価

雪山の絆(2023年製作の映画)
5.0
飛行機事故の描写が過去一です。機体の中でこうやって人は簡単に折れ曲がり亡くなるんだなっていうのを見事に描いてます。まるで事故を体感しているような映像。映画中の事故映像から恐怖を感じ取ることはあんまり無い私ですが、これは本当に恐ろしかった。そんな冒頭からラストまでアカデミー賞ノミネート大納得な作品です。

1972年10月13日、45名が搭乗するウルグアイ空軍機571便がアンデス山脈の標高3600メートルの山中に墜落。生存者が遺体の人肉を食べ、飢えを凌いだ話が有名で過去にも何度か映像化されています。試合に向かう学生ラグビーチーム🏉の選手団がチャーターした機体だったので搭乗者は学生たちやその家族や友人、つまり犠牲者のほとんどが20才そこそこの若い学生とその引率者たちだったのです、心が痛い。

以前鑑賞して、バカ泣きしたスマトラ沖地震を題材にした「インポッシブル」やシリーズではじめてうるうるした「ジュラシック・ワールド/炎の王国」のフアン・アントニオ・バヨナ監督作品なんですが、彼、本気で信頼しかないです。なにがすごいって今作で有名俳優をまったく起用していないこと。(似せたり、人物像が似ているキャスティングを優先したため)経験豊富とはいえないカメラ慣れしていない俳優たちで、ここまでの話題作にするなんて。また特殊メイクや怪我が本当にリアルで、特に唇のカサカサ具合なんてリップ塗りたくなって仕方ない!金カムでも話題になってた衣装の汚れ、他の遭難映画でも忘れがちな歯の汚さや髪の毛のギトギト感にまでしっかり時間の経過が反映されているところもよかったです。

撮影初日に監督、俳優全員が新型コロナに感染したり、マスクを着用しながらの撮影で大変だったろうに140日以上もかけ、こんな立派な作品を撮ってくれて…原作者も撮影に立ち合い「事故を完全に再現してる。あれ以上完璧に再現できない」と言うほど。

ウルグアイが舞台の映画なので、スペイン語がオリジナルなのでぜひそちらで。撮影の裏側「僕らは何者だったのか」もNetflixにあるのでぜひ。

あと、最後にシンプルに俳優みんなかっこいい。こちら少しトムホみあるロベルト役のマティアス・レカルトとダニエル役のフランシスコ・ロメロがめっちゃすき、顔が。
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