雪山遭難での極限状態とは。
実話を元にかなり丁寧に。
よくあるフィクションから受ける極限状態の"ドラマティックさ"は、やはり薄っぺらいのだなと思わされる。
生きるために何をするか何をしないか、人生の表れであり運であり個人差である。
そのシビアさ。そして人間の強さと弱さ。
これがほばノンフィクションなのだということが全てだ。
ネタバレ
そして忘れられないワンショットがあった。壁際に座り込んで特に表情もなく、かたわらのあばら骨から肉をつまみ取り食べる人。
確かにそうなるだろうと思い知らされた。平気になる、麻痺する。それはある種の絶望であり希望でもあった。極限状態では善悪の感覚を麻痺させることのできる人間への。