メキシコ人のくせにラテンアメリカの音楽に興味を持ったのは、ウォン・カーウァイの映画を観るようになったのがきっかけ。
というか、今まではずっとそういうラテンアメリカの音楽が流れるシーンや、クリストファー・ドイルの素晴らしい撮影に驚くばかりだったんだけど、4回目に観て今日は初めて話の内容が把握できたと思った。
そういえば、「欲望の翼」というタイトルっておもしろいよね。欲望を持ってない人なんてこの世にいないと思うんだけど、欲望って人それぞれなんだよね。結婚して好きな人と一緒に暮らすことだったりとか、船員になることだったりとか、とにかく人間は誰も欲望を持ってその方向に翼を広げて飛んでいくんだけど、そのうち自分が映画の主人公にでもなったような気分になって、自分の人生がどれだけ悲劇的かアピールするようになってしまう。しかし、足のない鳥であるヨデイのように、自分のストーリーが終わるや否やカメラはもう次の主人公を選んで撮影している。私はヨデイのその最後のシーンは悲しぎて、人生ってやっぱり、自分を憐れんでばかりいるには短くてもったいないなと思った。心が思うままに生きなくちゃ。