がぶりえる

欲望の翼 4Kレストア版のがぶりえるのレビュー・感想・評価

欲望の翼 4Kレストア版(1990年製作の映画)
3.7
欲に生き、欲に散る人間の恋愛ドラマ

台詞が良すぎる。
「脚のない鳥は決して地面に下りたりしない。」
「最後に何を見るのか知りたいから俺は目を瞑らない。」
「彼は毎日来て、1分間の友達から2分の友達へ、そして1時間の友達になった。」
一言一言のセンスとインパクト。そして、こんな気取った台詞を言っても画になる、レスリー・チャンをはじめとするイケイケの役者たちの流石の色気。やり取りの雰囲気だけでカッコイイと思わせるの相当凄いと思う。

どれだけ心が打ち砕かれても欲望には勝てない人間の堕ちていく美学。こんなダメ男は切るのが吉、なんてこと分かってるのに、何故か負い続けてしまう女たち。まぁ分かるよ、魅惑のレスリー・チャン、男の僕でも追っかけるね。女性を傷つけようと何とも思わないあの開き直った様な冷たい態度が気に食わないけど病みつきになる。女性との大事な会話はちゃんと覚えてるとことかは素直にカッコいいなあと思う。だから、ついて行っちゃいたくなる気持ち分かる。恋だよねぇ。人は身を削りながら恋をする。恋をすることは自分自身の惨めさと向き合うことに他ならない。手にしたいものを追うことで絶えず自分を傷付けている。欲望に生きる人間の常。