このレビューはネタバレを含みます
幸せとは何か、どうすれば幸せになれるか、という人類共通のテーマ。難民、人種差別という重いテーマ。
これだけ聞くと身構えそうになるけど、とにかくものすごい笑って泣いた。びっくり。
ダライ・ラマとデズモンド・ツツ。2人の偉大な精神的指導者が、宗教に関するジョークを言い合い、子供のようにふざけ合う様子に驚き。見てるだけで楽しくなってくる。
でもその裏には、それぞれの辛い過去があることが紹介される。
辛い経験も違う視点から見れば意味のあることだという。ダライ・ラマは、祖国を追われたことで広い世界を知れた、と言い切る。それに対し、ツツ大主教は中国は図らずも世界にダライ・ラマをもたらした、と応える。
2人の考え方は同じところもあれば、違うところもある。それでもお互いのことを尊敬していて大好きで、お互いの信じるものを尊重する。人間関係の一つの理想形を見た気がする。
自分以外の人のために行動することが自分自身の幸せにつながる──「情けは人の為ならず」が2人の言葉からも、科学的にも示される。
優しい人が損をする世の中だという悲観的な見方にストップをかけてくれる。
幸せは自分の外側にはなく、内側にある。
何度も見返したい作品。
字幕翻訳: 渡辺愛香さん