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Ryuichi Sakamoto | Opusのtakaのレビュー・感想・評価

Ryuichi Sakamoto | Opus(2023年製作の映画)
5.0
極上のスタジオソロピアノライブ映画
ひたすらピアノの音色に浸るもよし
好きな曲に思いを巡らせるもよし
故人を偲び感傷にふけるもよし
全編にわたって音数が少なく、静寂を楽しむ感覚が大変心地いい

モノクロで照明も最小限、ピアノの魅力を最大限引き出すマイクセッティングは同時に所作や吐息の音も捕らえ彼の生きた証を記録
時に完璧でない様子や笑顔に人間味が溢れていた

はじめて聴く曲が多かった中、プリペアドの不協和音な曲は程良いノイズ感を演出
また長い余韻が気持ちいい極端に音数が少ない曲Trioon I(Alva Notoとの共演作)も素晴らしく、録音とミックスのZAK氏(フィッシュマンズなど)の貢献度も大きい


"芸術は長く、人生は短し"
100年もののピアノを自然に還す試みも環境問題への取り組みの一環で、大好きであるピアノを見届ける責務を感じたからなのだろう
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