けちゃっぷ

Ryuichi Sakamoto | Opusのけちゃっぷのネタバレレビュー・内容・結末

Ryuichi Sakamoto | Opus(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

インタビュー、MCは一切なしで、ドキュメンタリーというよりはフィルムコンサートという感じ。ただし映像はモノクロ。

顔や手のアップの映像が多いのが印象的だった。モノクロ映像だと手が黒っぽく映り、爪の白さが浮きだっていた。病気の影響で血行が悪いのだろうと思った。思うように手が動かないこともあったかもしれない。
一曲一曲丁寧に演奏されたおなじみの曲たち。
決して勢いのあるタッチではないけれど、今回選ばれた主に後期の曲は繊細なタッチが映える曲ばかりで、とても心地よかった。ご自身の健康事情はさておき、できる限り音楽を届けたいという坂本さんの強い思いを感じた。

Opusは最後の曲。
途中から坂本さんは居なくなり、ピアノの自動演奏になる。
坂本さんが居なくなっても坂本さんの音楽は残る。
人生は短いけれど、芸術は長い。
いつか、学校の音楽室のバッハやベートーヴェンのように、坂本さんの肖像が飾られる日が来るのかもしれない。