いかに早く登るか。
世界の山々で登攀スピードを競いあう2人のアルピニスト。
ロープはなし、ヘルプもなし。単独フリースタイルがルールだ。
2番じゃダメなんだよ、1番にしか意味がないーー。
これが彼らの本心ではないかな。
命綱がないから滑落したら命の保証はない。
命がけのチャレンジに心が揺り動かされた。
ただ、登山がビジネスと結びつくとき、そこに陥穽が待ち構えている。
その片棒をかつぐのがメディアの存在だ。
1番をとることを煽り、ビジネスにつなげる。
メディアの司会者が自分らの責任を認めていたが、
メディア全体が認識しておくべき課題だろう。
私自身もメディアの隅っこに身を置いてきたため、
メディア人の気持ちも痛いほどよくわかる。
映画の構成は何やら悲劇を予感させるので
そんな結末は見たくないと思ったが。。
1人ではなく、同時代に2人のクライマーが存在したからこそ、この映画が成立したのだろう。
彼らの勇気を強く讃えたい。