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花真珠のotomisanのレビュー・感想・評価

花真珠(1955年製作の映画)
4.0
 田崎、丹波、御木本、天知と揃う中、宇津井のただ我一人という感じに下手そうな芝居も大根面もあの白黒の廃れたような画面に映ると何だかアルカイックな錆の良さに感じられてしまう。そんなわけで、得度を終えて恵子の宮との見上げ見下ろす顔と顔には、ああこの絵が欲しかったのかという、おそらく大根的宇津井ならではあのいっとき限りな栄えを覚える次第であった。
 あれなら、並みに芝居をしてはなるまいと大根に徹した甲斐もあったろう。
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