Joy is sorrow unmasked…
池袋のデルブか 高円寺の次郎吉
だったっけかなぁ 20年以上も昔のこと
まだ 夜も明けきってねーくせしてさ
東の空 邪魔くさい雲が 嘘っぽく紅くて
ベッタリ汗のシャツに懐いた 風と共に
ハーグローヴのフリューゲルホルン…
「これ誰のっすか？」と聞けば無言で
Moment To Momentのジャケを指し
「次世代のリー・モーガンかもよ」
って ひとりで爆笑して去ったおっさん
あん時 ロイがトランペット吹きとかなんとか
色々教えてくれりゃ いいもんを…ホントにっ！
どっかで生きてて この作品でも観ながらさ
ディジー・ガレスピーのＴシャツ着てた小僧を
ふと 思い出してくんねーかなぁ
いや 惜しい人 惜しい才能を 世界は失くしたよな
一見 堅物 敷居が高そうな…だけのジャズを
もう一度 ポピュラーなカタチに戻した男
上からも 下からも リスペクトが凄いのは
あの柔軟で変幻自在の演奏を聴けばわかるよな
hip-hopだって フュージョンだって 彼の音に壁はない
でもって スタンダードをピシャリとキメる憎いヤツ
正直 命を削って限界と闘う彼を見たくない気持ちもある
けど その情熱は あの輝きは やっぱ堂々たる最高の証明
羽なんか似合わんだろーけど あん時の紅い雲の隙間から
もう一度 未だ小僧の俺に聴かせてくれよ 最高を！
