『ミッドナイトスワン』の内田英治監督、期待の新作。
王道ラブストーリーにキャストも旬のメンツを揃えているので、鉄板と思いきや…展開と設定に難があり、厳しかった。
「え、なんでそうなるの？？」と、首をひねる事がいくつも重なり、？？？が顔を埋め尽くしている間にエンドロールへ突入してしまう。
山田涼介と浜辺美波は良い分、何だかもったいない。
事故により視力を失った音大生ヒロインと
声の出せないちょいワル純情主人公。
被るんだよね、吉高由里子×横浜流星の『きみの瞳（め）が問いかけている』に。
そして、あちらのほうが数段良い。
とはいえ、山田涼介の役者としてのポテンシャルの高さは大いに感じられたし、ジムでの総合格闘技のシーンはキレキレ。
他にもグランド・ピアノの音色が美しく連弾のシーンは見せ場の一つ。
連弾ってなぜあんなにも心が惹かれてしまうのだろう、目も耳も釘付けになっちゃう。
こうした形で要所には光るものがあるけど、全体的に薄味かつ刺さるものはない。
その象徴が終盤のターニングポイント。
何度も繰り返されるシーンだが、腑に落ちない。
現実性を過度に潜ませる必要はないが、一定のリアリティはないと鑑賞者が置いてけぼりになってしまわない？
キャストのファン以外だと飲み込めない典型的な作品だと思います。
