鹿

サイレントラブの鹿のネタバレレビュー・内容・結末

サイレントラブ(2024年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

ありきたりのラブストーリーにしたくなくて、いろんなジャンルからありきたりを持ち込んだらこうなった、という印象。エピソードだけではなく、セリフのひとつひとつにいちいちセンスがない。山田くんがしゃべれないので油断していたら、(最初から怪しいことは怪しい)野村周平の家が「海外でも活躍している裕福な音楽一家」であることを表現するために、家族で高級和菓子を食べながら父親が言うセリフがこれだ。「ウィーンで食べるザッハトルテも旨いが、和菓子の繊細さも捨てがたいな」……終わった。これを聞いてからは何も期待しないで観ていたが、変なひねりや嘘くさいセリフはまだまだ放り込まれる。いろいろあって、反社の集団にぼこぼこにされる野村周平。たまたま一緒に拉致された美波チャンにも魔の手が……そこへ山田くんがかけつけるが、何人か倒したものの、敵ともみ合いになる。野村周平がその敵にタックルをかける。そして敵と野村周平が掴み合っているところに、目が見えないんだからよせばいいのに杖を振り下ろす美波チャン。そこで暗転して次には返り血を浴びて呆然とした表情の美波チャンの顔のアップが写される。……えーと、まさかとは思うが、こんな終盤に来て、美波チャンが「覚醒」して、チェーンソーで敵を刻んだとか、ビースト的なものに変身して牙や爪で八つ裂きにしたりして、山田くんか野村周平のどちらかドン引きしなかった方と結ばれるっていう「愛が試される」系じゃないだろうな!?これから町中の反社を薙ぎ倒してラスボスの首を取りに行く尺があるのか!?……さすがにそんなことにはならなかったが、それくらいつぎはぎ感が酷かった。とりあえず、古田新太には謝った方がいいのではないだろうか(なんならザッハトルテにも)。
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