少し前情報を入れてから鑑賞。
確かに王道のラブストーリーではないが、この監督らしい切り口で物語が進んでいく。テンポも問題の引き金となった出来事も納得することばかり。故に理不尽さで心が痛かった。
音大生＝金持ちとか、前科者＝まともな職に就けないというレッテル張りが一般論に準ずるもので、もう少し別の意味が欲しいところではあった。
しかし、俳優さんの演技が良かった。主人公の沢田蒼は声を失った24歳の青年。声が聞けるシーンは回想と手紙のシーンのみ。それ以外は様々な方法でコミュニケーションを取っていく。山田くんの演技は高校生くらいの頃から見ているが、あの武者震いのような特徴的な演技は言葉がなくても十分だと思えてしまうのだからすごい。もう彼はいい意味でアイドルではないと思えた。
他にも音楽が良かった。
久石譲さんの作り出す音楽が、この世界は絶望感だけじゃないことことを印象づけていた。言葉が話せない蒼に変わって感情伝えるシーンあり、どこかジブリを彷彿させた。
またエンディングのMrs.GREEN APPLEが歌う主題歌。正直余韻を全部持ってかれるくらい良かった。
