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メンゲレと私のちゃちゃのレビュー・感想・評価

メンゲレと私(2023年製作の映画)
3.1
ナチス収容所で何が行われたのか、ヨーゼフ・メンゲレはどんなことをしたのか、色々な文献やネットを見てだいたいのことは知っていた。
でも、ダニエル氏が語った内容に初めて知ったこともあったし、何よりも、収容所を生き抜いた方の生の声・表情を目の当たりにできたことで、より伝わるものもあったし、認識が新たになったところもあった。

「トラウマにはならなかった」とダニエル氏は言うけれど、生き抜くために無くした心の柔らかい部分は2度と戻ってこないのだなと、その表情から感じた。
(「収容所は良い学校だった」等の言葉は、自虐・皮肉に他ならないと思います)

ナチスとも、ユダヤ人とも、わたしたちは誰しもが紙一重だなと思う。
びっくりするような残忍さや、狭量さ、憎しみ、嫉妬、いとも簡単に扇動されてしまうような脆弱性や、サディズム、偏見、軽蔑、嫌悪…を、誰しも持ってる。
それらをいつ向けられる側になるかは分からない。

でも、愛や想像力、平和を願う気持ちなど、美しいものも、同じように全ての人が持ち合わせているものだろう。
そう信じたい。
わたしにできることは、できるだけそちらを見ること、そちらを選択することだと、改めて思った。



映画としては、9割以上がダニエル氏のアップで色彩もなくひたすら淡々としているので、退屈になってしまう方もいた様子。
(複数のお客さんが寝てました)
各国のプロパガンダ映像が見れたのは面白かった!
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