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傷物語-こよみヴァンプ-のBremingerのレビュー・感想・評価

傷物語-こよみヴァンプ-(2024年製作の映画)
3.6
物語シリーズ、名前だけは知ってますし、西尾維新先生作品は結構読んでるんですが、物語シリーズだけ全く触れてこずの人間で、今作も今週観る作品少ないなー、初見でも大丈夫なのかーくらいのテンションで観に行きました。特典はA4ビジュアルボードでした。オシャンティーです。

総集編なんだろうなーというぶつ切り感はありつつも、シャフトの独特なアニメーションは迫力がありましたし、世界観には惹かれるものが多くありました。

主人公・阿良々木暦が吸血鬼のキスショットに血を分け与えてしまったがために、自分自身も吸血鬼となって、吸血鬼の自分と葛藤したり、吸血鬼ハンターと戦ったり、キスショットと暦の睨み合いが起こったりと、3部作の起承転結が1本におさまっていました。

暦のセリフ量の多さが怒涛の勢いで脳内に叩き込まれるので、神谷さんの熱演がひしひしと伝わってきました。感情の起伏が激しい暦を操るかの如く演じ切った神谷さんすげーっす。

羽川さん(めちゃくちゃパイオツカイデー)がキーマンの1人なんだろうなーと思っていましたが、登場頻度がそこまで高くなく、割とそんな事ないのかなーと思っていたら、羽川さんパートが切られていたのかと気づきました。結構魅力のあるキャラだけに、3部作では彼女と暦のイチャコラが楽しめたのかなと思うとちょっと残念でした。
一瞬の斬撃で殺されたとはいえ、腸がドバドバ出るシーンはかなりグロかったです。腸を拾って詰め込もうとするシーンをアニメにすると現実よりも生々しさがあって悍ましかったです。

物語の着地点もしっかりしており、暦とキスショットのこれまでとこれからを最後まで描き切ったのは良かったです。ただ、後半かなりテンポ感が悪くなっていた気がして、少しだけウトウトしてしまった時間帯がありました。

シャフトのアニメーションって、今まではキラキラしたものや、性癖全開みたいな舐め回すようなアングルが多い会社だなと思っていましたが、今作ではスピード感抜群の絵作りや、想像以上のグロさが並々ならぬ熱量で描かれており、しっかり度肝を抜かれました。
暦が全速力で駆け抜けるシーンなんかは、バトルアニメのそれで、4DX映えしそうだなとぼんやり思って観ていました。

物語シリーズの新作アニメーションでもやるのかな?と思いましたが、別にそんな事はないみたいなので、謎タイミングな総集編だったなーと思いました。
物語シリーズには興味が出たので、ちょくちょく追ってみようと思います。
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