テルヒサ

傷物語-こよみヴァンプ-のテルヒサのレビュー・感想・評価

傷物語-こよみヴァンプ-(2024年製作の映画)
4.8
地獄のような春休み、吸血鬼となった高校生の選択。
三部作の時よりもシャープで、悲劇の物語であることを徹底した作り方になっていて良かった。
三部作では羽川や忍野とのやりとりの要素も多かったが、今回は徹底して主人公である阿良々木暦の物語として構築されており、彼の春休みを体験するという意味で、より映画的な作品になっていたと思う。
カットや作画の微調整も感じられたが、何より場面転換や物語の進行に合わせたカット割りが良くなっていて、物語の雰囲気に寄り添ったものになっていた。キャラクターやアクションはやはり個性が強く魅力的で、配信でしか見られなかった三部作の素晴らしいアニメーションを劇場で見れたことに感激した。
尾石達也監督の演出センスは尖っていて大好き。他に類を見ない特徴をもつアニメ演出家だと思うので、今後ももっと彼の作品を見ていきたい。
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